第11話「じてんしゃ!!」アニメから入った方にはわかりにくいバイクネタを原作からめて解説するよ!
第10話解説「ロードレーサー…それは風と自由!」
最近はロードレーサーというよりも単にロードバイクと言うことが多い気がする。
細いタイヤとドロップハンドルを装備したスポーツ自転車。
弱虫ペダルに出てくる自転車と言えばわかりやすいか。
「中々やるな。この俺の15万のビッグマンに張り合うとは」
「なんの。こっちだって12万のフェラト。条件は五分。脚力の勝負だ」
あまり自信がないがビッグマンは台湾の自転車ブランド「ジャイアント」のことだろうか?
フェラトはドイツブランド「フェルト」のもじりだろう。
このクラスのロードとなるとおそらくカーボンフレームではなくアルミフレームだと思われるので、ロードとしては高級車とは言えないかも。
「ん?このロードノイズはチンコネンタルタイヤGP9696チューブラーの音…」
チンコネンタルはドイツのタイヤブランド「コンチネンタル」のこと。
自動車やオートバイのタイヤも作っている大きなメーカーだが、日本での存在感はイマイチかも。
GP4000チューブラーは1本1万以上もする高級タイヤ。
「チューブラー」というのはチューブとタイヤが一体化(縫い合わせてある)しているもののこと。パンク修理とか凄いめんどくさい。普通は交換するが。
おまけにタイヤを装着する際にリムセメントで接着しなければならないため、まためんどくさい。
ちなみにチューブとタイヤが別体式の場合は「クリンチャー」という。
「変速時のホイール反射音…こいつはボボーレか!」
カンパニョーロのホイール「ボーラ」と思われる。
「100万だ!100万が迫って来てる!」
「フレームはペロレロDOMARATINK65・1か!」
ピナレロ DOGMA 65.1 THINK2かな?
ドグマといえば高級ロードの有名モデル。
「俺達を風よけに使ってやがる!」
スリップストリーム。
自転車の場合、結構バカにできないぐらい効果があるらしい。
「これで100万は安い安い安い!」
実際、ドグマにボーラと(多分)スーパーレコードつけて普通に組んだらもっと高くなるので、この構成で100万なら安いと言えるかも。
「道路のルールは知ってるぜ。自転車は交通弱者。接触したらお前の負け。すなわち我こそがロードキング!」
たとえ自転車でも進路妨害すれば捕まる。
交通法規を守りましょう。
「教えてやる…人の力は無限大だと!」

このシーン、本誌掲載時は「そう、おれはクソ虫ペダル!!」というセリフだったのだが単行本では上記の台詞に修正されていた。
このエピソードは単行本化の際に結構修正されているところが多い。
流石にクソ虫ペダルはやりすぎたとということだろうか?
「おい!そこのスズキのアルト!その車値段はいくらだ!」
「84万ですけど…」
原作ではスズキ「スイフト」79万だった。
もっともこのスイフトは現行の3代目ではなく初代スイフト。初代は本当に安かった。
アニメのアルトは多分現行の8代目。
「おい!横っ面に「雀」と書いてあるやつ!」
「隼ですけど…」
スズキ「GSX1300R 隼」。300km/hも出せるメガスポーツ。
「どっちでもいい!そのオートバイはいくらで買った!」
「中古で70万ですけど」
隼で70万は安い。普通はもっと高い。
「医者が言うには急性スズキ愛好症というらしい」 by恩紗パパ
いわゆる鈴菌。ネットでは昔からネタにされている。
スズキは独創的な車種が多く、スズキが好きなやつは変態などと言われた。
こことか
ここを見ると大体わかる。
基本的には二輪で使われるが、稀に四輪でも使われることがある。
「極めつけはこれにカタナと名付けたこと。これを買った奴は不人気で安かったからデザインに目をつぶったか、油冷だから目をつぶったかどちらか、と思ってた」 by恩紗
油冷とは、エンジンオイルを積極的にエンジンの冷却に利用する冷却方式。今となっては油冷も絶滅した。もともとそんな大したものでもなかったが。
広義では空冷に分類される。
スズキの専売特許のように思われているが、ホンダCB1100のように実質油冷だろというマシンは他社にも存在する。
しかしこうしてみると恩紗も初代カタナは認めているんだな、という感じ。
「心が嫌がってるのに体が求めてしまう!ヤマハSRよりスズキテンプターを」 by恩紗
テンプターはSRの対抗馬として開発されたが不人気ですぐに生産終了した。
いくらクラシックスタイルとはいえ、流石にフロントドラムブレーキはいかがなものか。
まぁSRも一時期フロントドラムにしてたことがあったけど。
ちなみにホンダにもCB400SSという、やはりSRのパクリバイクが存在した。が、やはりSRには勝てなかった。
そう考えるとSRって名車かもね。
「ドラッグスターよりサベージを」 by恩紗
このバーチカルシリンダーのエンジン、実はテンプターと同じエンジンだったりする。
しかしこのデザインはなんというか、形容しがたいものがある。
ドラスタのようなハーレーのパクリではなく、独自性を出したいというスズキの心意気は分かるのだが…
当然不人気ですぐに生産終了。
「ポップギャルよりファンファンを」 by恩紗
どっちも古いうえにマイナーすぎる。
これはなんだろう、ファンバイクって言えばいいのか?
今ではほぼスクーターしかないが、当時はみょうちくりんな原付バイクがいろいろあったのだ。GAGとか。
「テンプター。サベージ。ファンファン。そしてGSX750Fカタナ」 by恩紗
個人的には「菌王」の二つ名を持つB-KINGを推したい。
ほかだとスケベイスといわれたジェンマとか、あとはチョイノリもいいね。
アイキャッチ「OGKカムイ アライRX-7X」
カムイはチンガード部分もシールドと一緒にはね上げることのできるシステムヘルメット。おまけにサンバイザー内臓。
RX-7はハイエンドのフルフェイスモデル。マツダではない。
「バイクなんてサーキット用のNSF100しか知らないのでおすすめがあったら教えてもらおうかと…」 by千雨
NSF100はレース用のホンダのミニバイク。ポケバイよりはデカい。
猿山先生のエイプぐらいと思えばいい。
「オートバイのことはよくわからないけどホンダでいいんじゃないかな!だってホンダはなんてったってホンダだから!」 by羽音
なんてったって販売台数世界トップのホンダですから。
カッコカワサキ宣言
元ネタは地獄のミサワ『カッコカワイイ宣言!』
「そっちはバイクじゃなくてスクーター。スクーターはただの移動の手段さ。レーサーの千雨には向かないな」 by恩紗
スクーターをバイクとは認めない一派は確かに存在する。
最近だとTMAXのようにスクーターとスポーツバイクを融合したような車種もあったりするので、この発言は極論であるということは間違いない。
「で、私がおすすめするのはこれ!SR400だ!」 by恩紗
30年以上売ってるロングセラー。
ただしキック始動オンリーであったり、バランサーレスゆえの振動がでかかったりで、少し癖がある。
「こいつのタンクマークを外してこいつを貼り付ければ…」 by恩紗
みんな大好きBMW。許可が取れていないのかモザイクである。
BMWもクラシックバイクをラインナップしてるのでバイクに詳しくない人なら騙せるかもしれない。
「このバイクの真価は変幻自在のカスタムベースという所にあるのだ!」 by恩紗
歴史が長いのでカスタムパーツが豊富なのは本当。
「今度はイギリス車ですわね」 by聖
イギリスの古参メーカー「トライアンフ」。
現在では最も古い歴史を持つブランド。
下着ブランドのトリンプと綴りは同じだが全く別の会社。
今となっては珍しい三気筒エンジンを持ってたりする。
「パソコンのウイルス対応ソフト!」 by羽音
イギリスブランド「ノートン」。
とはいえトライアンフと違って日本ではあまり知名度がないので、羽音のようにセキュリティソフトと勘違いしてしまうのも仕方がないかもしれない。
(みんな詳しいなぁ。私は全然わからないや。カワサキのオートバイなんて全部緑で同じに見えるし…) by羽音
確かにフルカウルモデルとかだと、詳しくない人には全部同じに見えるかもしれない。
カワサキも全部が全部ライムグリーンってわけではないんだけどね…
「千雨ちゃん千雨ちゃん!ピンク色のホーネットってオートバイがあったよ!私とおそろの色だからあれにしなよ~」 by羽音
ホンダ「ホーネット」。CBR250RR譲りの超高回転型エンジンのネイキッド。
特徴的なのはタイヤサイズ。
フロント16インチリア17インチというという前時代的な構成。ちなみに今は前後17が主流。
さらにリアは180という250ccとは思えないぶっといタイヤをはいている。これは私のMT-07と同じサイズ。
迫力はあるけどタイヤ交換の時に泣きを見る羽目になる。でも結構人気があった車種でもある。
ホーネットはカラーオーダーシステムがあったので、ピンク色も実在したかもしれない。
「ホンダPCX!?」 by恩紗
125ccが主流だが150ccもある。これは150。
250ccよりは小ぶりなビッグスクーターで、燃費もよく、かなりの人気車種。
バイクには珍しいアイドリングストップがついている。
「スクーターはバイクじゃないので公道走ってもいいですよね!」 by千雨
レーサーが公道ではスクーターに乗っているというのは実際にあること。
そもそも公道では乗らない人もいるし、人によるんだろうけど。
感想やってほしかったショートエピソードがここにきてまとめてやってくれたので非常にうれしい。
わたしはこの辺のエピソードこそがばくおんの本質だと思っている。
ちなみに原作者はロードバイクにも乗っているのだそう。どうりで結構マニアックなネタだと思った…
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